初めての遺品整理｜メルカリの活用方法と5つの注意点を解説

• 遺品整理でたくさんの物が出てきたけどメルカリに出品するか悩んでいる
• メルカリで遺品を高く売却する方法を知りたい
• メルカリ以外で遺品整理する方法を探している

遺品整理で出てきた物をメルカリに出品していいのか悩む人は多いです。メルカリで遺品を出品する場合、高く売るためには説明文や出品方法など、いくつかコツがあります。

この記事では、遺品整理にメルカリを使うのに向いているケースや、出品のコツなどを解説します。高く売れる遺品の種類や税金・相続の注意点なども網羅しており、遺品整理を行っている真っ最中の人に最適の内容です。メルカリ以外の選択肢も紹介しており、メルカリでの売却が難しい状況でも遺品整理問題を解決できます。

メルカリでの遺品整理がおすすめのケース

メルカリでの遺品整理がおすすめのケースは以下のとおりです。

• 出品したい遺品の数が少ない
• 遺品を長時間保管しておく場所がある
• 梱包や発送作業に費やす時間がある
• メルカリを使いこなせる

出品したい遺品の数が少ない

遺品の数が少ない場合はメルカリでの出品がおすすめです。遺品の数が少なければ、1点ずつ写真撮影や説明文作成などの出品作業を行っても、負担が少ないからです。売りたい遺品の数が5～10個程度であれば、仕事や家事などの隙間時間を使って、数日程度で出品作業が完了します。

しかし、遺品の量が多い場合は出品作業はかなりの負担になります。仕事などが忙しく、使える時間が1日に数時間も取れない場合、メルカリでの遺品整理はおすすめできません。遺品の数が20～30を超える場合、メルカリ以外の売却方法を検討しましょう。

遺品を長時間保管しておく場所がある

出品した物がすぐに売れるとは限りません。出品した物が売れるまでは、自宅に遺品を置いておけるスペースが必要です。遺品を数か月以上保管しておくスペースがある場合、メルカリでの出品がおすすめです。長期間売れ残ったとしても、遺品を保管し続けられれば何も問題ありません。

故人宅の退去期限が迫っていたり、賃貸住宅の明け渡し期限などがあったりする場合、時間制限ができてしまいます。遺品が売れるまでの期間、保管しておく場所がない場合、メルカリ出品には不向きです。特に大型家具や家電は送料も高いため、メルカリ出品より専門業者による処分が適しています。

梱包や発送作業に費やす時間がある

メルカリでの取引には写真撮影・出品・梱包・発送・メッセージ対応などがあり、1品あたりの作業時間は10〜15分程度です。遺品が5～10個程度であれば、かかる時間は1～2時間程度で済みます。しかし、遺品の数が20個・50個・100個となってくると、100時間以上もかかってしまう場合があります。

メルカリを使いこなせる

自分自身、または身近な親族がメルカリを使いこなせることは必須条件です。メルカリ未経験でも、公式ガイド等を読めば使い方を覚えられるという自信があれば問題ありません。スマホ操作やアプリでの会員登録・決済に抵抗がないことも重要です​。

メルカリを使える人が身近におらず、自分自身もアプリの使用が苦手な場合、メルカリでの遺品整理はおすすめできません。メルカリを使いこなす自信がなければ、無理にメルカリを利用せずに別の方法を検討しましょう。

メルカリを遺品整理に使うメリット

メルカリを遺品整理に使うメリットは以下のとおりです。

• 遺品の処分費がかからずお金に変わる
• 自分自身で価格設定ができる
• 思い出の品を必要な人に直接届けられる
• 安心かつ便利に取引ができる

遺品の処分費がかからずお金に変わる

遺品整理を業者に依頼すると費用が発生しますが、メルカリで売ることができれば収入に変えられます​。遺品の性質上、特に古い衣類や書籍などは売れるほどの価値がある物には見えず、ごみとして処分してしまうことがあります。しかし、一見ごみに見える物でも見る人が見れば実は価値あるお宝だったというケースもあります。

遺品をごみに出したり、業者に依頼して処分費を払うはずが、逆に思わぬ金額で売れることがあるのは大きなメリットです。

自分自身で価格設定ができる

メルカリでの遺品の売却は、自身で納得のいく価格設定ができるのもメリットです。相見積もりなどを取らずに総合リサイクルショップにまとめて売ると、相場より安い値段で買い取られる可能性があります。総合リサイクルショップでは、骨董品など一部の物に対して正確な査定ができないことがあるためです。

メルカリでの出品が難しい場合は、遺品をジャンルごとに分けて売る方法があります。家電は家電専門、骨董品は骨董品専門のリサイクルショップに持ち込んで査定を依頼すると安く買われるリスクが減ります。

思い出の品を必要な人に直接届けられる

フリマアプリでは、購入者と直接やり取りのうえ売却できるため、遺品を大事にしてくれる相手に託せる喜びがあります。

メルカリでの購入者との直接のやりとりは「故人の遺品を無駄にしなかった」と実感できる方法です。家族としても、遺品が誰かの役に立つのは嬉しいものです。

安心かつ便利に取引ができる

メルカリは安全性が高い取引ができるのもメリットです。評価制度があるため、買い手が信用できる人物かどうかがあらかじめ把握できます。代金もメルカリで一時預かりする仕組みなので、不払いなどがなく、安心して取り引きできます。匿名配送や宛名書き不要のメルカリ便のサービスもあり、発送も簡単です。

スマホ1つで出品から発送までの一連の作業を行えます。遠方の買い手にも送れるため、地方に住んでいても全国の買い手を相手に売却できます。

メルカリで遺品整理を行うデメリット

メルカリで遺品整理を行うデメリットは以下のとおりです。

• 出品作業に時間と労力がかかる
• 出品しても売れ残ることがある
• 売れるまでの間の保管スペースが必要
• 遺品に抵抗がある人からは購入されない
• 他のフリマアプリよりも手数料が高い
• 電話でのサポートがない

出品作業に時間と労力がかかる

フリマアプリは出品から入金まで以下の手順が必須です。

1. 写真撮影
2. 商品情報収集・説明文作成
3. 出品～売約
4. 梱包
5. 発送
6. 商品到着
7. 入金

上記の流れを出品した商品の個数分繰り返す必要があります​。本や衣類など10～20点程度なら何とかなりますが、大物商品や20点を超える数の遺品があると相当な労力がかかります。スキマ時間で楽々売却とはいかず、本腰を入れて出品を行う必要があります。

働きながらメルカリ出品をするには、就業後や週末の休みに出品作業の時間を確保する必要があります。
» メルカリの出品はめんどくさい？めんどくささを解決する秘密を教えます

出品しても売れ残ることがある

メルカリに出品したとしても、必ず買い手がつくわけではありません。古い生活雑貨など、売れにくい物は出品しても反応がなく、何か月も残り続ける可能性があります。大型家具・家電は配送費が高く、売却金額次第では送料負担で赤字になるケースもあります。

出品しても明らかに売れ残るであろう物は最初から出品せず、業者での回収や譲渡など別の処分方法を検討しましょう。

売れるまでの間の保管スペースが必要

メルカリに出品してもすぐに売れる保証はなく、売れるまで遺品を保管しておく場所が必要です。特に賃貸物件の明け渡し期限が迫る場合や、部屋が手狭な場合、保管場所の確保は大きな問題です​。保管スペースがない場合は、小物だけメルカリに出品し、大物は処分するなど、あらかじめ選別するなどの工夫が必要です。

遺品に抵抗がある人からは購入されない

購入者によっては、遺品と聞いて縁起が悪い・怖いと感じる人もいます。遺品を敬遠する層には売れにくい点は覚えておきましょう。全ての人が遺品を敬遠するわけではなく「商品が良ければ気にしない」という人も多いです​。

「遺品」と明記されている出品物は多くあり、意外と売り切れになっていることも多いです。「遺品を買うのはちょっと怖い」と考えている層には売れないため、購入者数は多少絞られる可能性はあります。
» メルカリで起こるトラブル予防策を徹底解説！安心して取引できる方法

他のフリマアプリよりも手数料が高い

メルカリでは売れた金額の10％が手数料として差し引かれます​。他のフリマアプリ、Yahoo!フリマ(旧PayPayフリマ)5%、ラクマ4.5～10％より高めです。しかし、メルカリはユーザー数が断トツで多く、商品が売れやすいことを考えると10％の手数料も決して高いものではありません​。

電話でのサポートがない

メルカリには基本的に電話でのカスタマーサポートが用意されていません。問い合わせはアプリ内のチャットやメールフォームなど、メッセージを通じて行う必要があります。メッセージでのサポートは、電話と比較すると対応にやや時間がかります。

メッセージでの対応は、発送後のトラブルなどの早急な対応が必要な場面ではストレスが大きいです。高額な遺品を出品する際や、トラブル時に不安を感じやすい方にとって、メッセージ対応はややデメリットと言えます。

メルカリで高く売れる遺品の例

「正直こんなもの売れないだろう…」と思う物の中に、意外な高値が付く遺品が眠っていることがあります。以下はメルカリで売れやすい代表的な遺品の例です。

• 趣味の道具類
• コレクションの品
• ブランド品
• アクセサリー・宝石・貴金属
• 美術品・骨董品

趣味の道具類

故人が大切にしていた趣味の品には、想像以上の価値があることもあります。趣味性が高いジャンルのアイテムは、マニアやコレクターの間で需要があるため、高く売れる可能性があります。代表的なジャンルと売れやすい例を以下にまとめました。

趣味の種類	高く売れる物の例	備考・ポイント
釣り	リール、ルアー、ロッド	状態が良く、ブランド(シマノ・ダイワなど)があると高額になる
オーディオ	真空管アンプ、スピーカー、ターンテーブル	ビンテージ品やマニアックな機器が高評価
カメラ	フィルムカメラ、レンズ	古くても需要あり。元箱・説明書ありは◎
鉄道模型	Nゲージ、ジオラマ(KATO、TOMIX)	元箱付きでセット販売が高値になりやすい
ゴルフ	クラブセット、キャディバッグ(Titleistなど)	型番によってはプレミア価格になることもある
ミリタリー	軍服、バッジ、模型、サバゲー用品	古い軍装品はコレクター需要あり
楽器	ギター、アンプ、エフェクター	ブランド・年式で価格が大きく変動
アマチュア無線	トランシーバー、アンテナ、周辺機器	技適マーク付きは売れやすい
模型・プラモ	ガンプラ、戦車、飛行機模型(未組立が高額)	絶版キットや限定品は特に人気
蔵書	趣味全集、サイン本、限定装丁本	ニッチな専門書や漫画セットも狙い目

メルカリでは、上記のような趣味の品が高値で取引されることも多くあります。買い手にとっての「価値ある一品」を遺品の中から見つける楽しさも味わえます。
» 絶対に損をしないために｜カメラを売るときの注意点を伝授！

コレクションの品

一昔前の絶版漫画やレコード、限定記念品など、現在入手困難なコレクション物はプレミア価格になることが多いです。以下は高値がつきやすいコレクションの品の例です。

• 古いおもちゃ
• フィギュア
• 切手
• トレーディングカード
• アイドルグッズ
• レコード
• 切手
• プラモデル
• ぬいぐるみや人形

上記は熱心な収集家がおり、思わぬ高額で売れるケースがあります​。価値がわからないものでも、型番や名称で検索するとある程度の相場がわかるので一度確認してみましょう。

ブランド品

高級ブランドのバッグ・財布・腕時計なども中古市場で人気です。ブランド品の空箱や紙袋にも需要があり、箱だけでも高値で売れることがあります​。ブランド品は箱や保証書が揃っていると査定額が上がるので、遺品整理時に出てきたら捨てずにセットで出品しましょう。
» ブランド品の箱どうしてる？箱を最も有効に活用できる方法を解説

アクセサリー・宝石・貴金属

指輪やネックレスなどのアクセサリーも売れやすい遺品です​。デザインが古くても、石を再利用して新しいアクセサリーに作り替えたいという需要があります。故人が身に付けていた物だからと気にしすぎる必要はありません。高級宝飾品で鑑定書が付いているものは特に高値になりやすいです。

美術品・骨董品

掛け軸や陶磁器、絵画といった美術品・骨董品も高額で取引されています。著名作家の作品や伝統工芸品であれば専門の市場価値があります。素人判断が難しいため、下記の「価値を見極めるポイント」を参考にしてください。

骨董品

付属の木箱が桐(きり)材でできている場合は高価な品である可能性が高い

掛け軸

匂いを嗅いで墨の香りがすれば価値のある本物の可能性が高い。表面を触り、凹凸がなければ印刷コピーなので価値は低め

絵画

表面に凹凸がなければ印刷なので価値は低い。キャンバスの隅や裏に作者のサインがあれば価値が高い可能性がある

陶器・食器

歪みが全くなく光沢が均一に美しすぎるものは、機械生産の新しい量産品の可能性大

以上のポイントはあくまで目安です。「もしかして価値があるかも？」と思ったら専門家に査定を依頼するのが最良の手段です。骨董品や美術品は素人判断が難しいため、高価な可能性があるものは自己判断で安売りしないようにしましょう。

メルカリで遺品を高く売るコツ

いざ遺品をメルカリに出品するなら、できるだけ高く売りたいと考えるのが当然です。メルカリでは、少しの手間をかければ売れ行きや売れる値段がアップします。メルカリで遺品を高く売るコツは以下のとおりです。

• きれいに掃除してから出品する
• 写真は明るく鮮明に撮る
• 商品説明は詳しく丁寧に書く
• 付属品や外箱があればセットで出品する
• 相場を参考にして価格設定をする

きれいに掃除してから出品する

ほこりを被ったまま・汚れたままの状態では、価値がある商品でも購入意欲を下げてしまいます。乾いた布でホコリを払い、落とせる汚れは落としてから撮影しましょう。

ただし、骨董品などは誤った方法で磨くと傷が付く恐れがあります。骨董品の種類に応じて清掃の仕方を調べてから行うか、専門家に相談しましょう。

写真は明るく鮮明に撮る

購入者はまず写真で商品を判断するため、写真の良し悪しが売れ行きを左右します。写真を明るく鮮明に撮るポイントは以下の3つです。

• ピントを合わせブレなく撮る
• 実物に近い色味を再現する
• 背景に余計なものを写さない

自然光の入る昼間に撮影すると実物に近い色味が出て、きれいに写ります​。暗い場合で撮影しても、画像編集で明るさ補正をかけられますが、できるだけ自然光の入る昼間に撮影しましょう。複数枚の写真で色々な角度や傷のアップも載せ、商品の状態が正確に分かるようにしましょう​。

商品説明は詳しく丁寧に書く

説明文には、サイズ・年代・購入時期・使用頻度・傷や汚れの有無など可能な限り具体的な情報を書きましょう。型番やブランド名があれば正確に記載し、付属品の有無も明記してください。「こんな使い方もできます」といった活用アイデアを加えると、購入者が使う場面をイメージしやすくなり、売れる可能性が上がります​。

説明文は誤字や脱字をないようにし、丁寧な言葉遣いで書き、信頼感をアップさせましょう。自身で説明文が書けないような骨董品や年代物などは、専門の買取業者へ査定に出しましょう。

付属品や外箱があればセットで出品する

箱・説明書・保証書など付属品が揃っているほど高値で売れやすいです。時計やカメラなどは箱や予備パーツも一緒に付け、セット品は欠品なくまとめて出品しましょう。ブランド品の保存袋・ショップ袋なども需要があります​。「箱や説明書付き」と記載すれば購買意欲を高められます。

相場を参考にして価格設定をする

高く売りたいからといって、極端に高い値段を付けてもまず売れません。出品したい遺品と同種の商品をメルカリ内で探し、SOLD OUTになっている商品の価格を参考にしてください。参考にした価格と比較し、自身が納得できる金額に設定しましょう。

メルカリで遺品を売る際の注意点

遺品をメルカリに出品するときのため、トラブルを避け円滑に売買する注意点を押さえておきましょう。メルカリで遺品を売る際の注意点は以下のとおりです。

• 商品説明に個人的な思い出を書きすぎない
• メルカリの禁止出品物は出品しない
• 価格設定を常時見直す
• 出品期間を決めておく
• 取引メッセージは迅速かつ丁寧に対応する

商品説明に個人的な思い出を書きすぎない

故人への想いが強いと「母の形見で思い出深い品です…」などと書きたくなります。しかし、故人の思い出などが商品説明に書かれていると、購入者側は重く感じてしまいます。

商品自体の詳細や機能説明はしっかりと書き、出品者の個人的な感情を書くのは控えるようにしましょう。

メルカリの禁止出品物は出品しない

メルカリでは利用規約では出品禁止物が定められています​。メルカリに明記されている出品禁止物のルールと照らし合わせて、遺品としてありそうなものを以下にまとめました。

• 偽ブランド品、正規品と確証のないもの
• 知的財産権を侵害するもの
• 盗品など不正な経路で入手した商品
• 殺傷能力があり武器として使用されるもの
• 危険物や安全性に問題があるもの
• 医薬品、医療機器
• 許可なく製造した化粧品類や小分けした化粧品類
• 法令に抵触するサプリメント類
• 安全面、衛生面に問題のある食品類
• たばこ
• 農薬、肥料
• 領収書や公的証明書類
• 受け渡しに伴う手続きが複雑なもの
• 商品の内容が不明瞭な詰め合わせ、セット商品(禁止されている出品物)
• 試作品(商品サンプル)の掲載がないオーダーメイド品
• 象牙および希少野生動植物種の個体などのうち、種の保存法により必要とされている登録がないもの
• 利用制限や契約中、支払いが残っている等の携帯端末および全てのSIMカード
• 法令上の取り扱いにより、メルカリでの取引が困難と判断したもの

出品禁止物を出品すると、出品の削除やアカウント停止もあり得ます。出品前に公式ガイド「出品してはいけない商品一覧」に目を通し、規約違反のないようにしましょう。
» メルカリ「禁止されている出品物」(外部サイト)

価格設定を常時見直す

購入時の値段や故人への思い入れが強いほど「もっと高く売りたい」と思いがちです。しかし、思い出がある遺品だからと市場相場とかけ離れた価格で出品しても、まず売れません。たとえ未使用状態だとしても、中古品は中古品です。新品同様や過度に高い値付けは避けましょう。

一定期間売れなければ値下げに踏み切る、もしくはメルカリ以外での売却に切り替えるなど柔軟に対応することが大切です。

出品期間を決めておく

売れない商品をいつまでも出品し続けても何も良いことはありません。「適宜値下げをしつつ、1か月売れなかったら出品をやめる」などの期限を決めましょう。期限が過ぎても売れなかった物は、寄付や処分を検討してください。期限を決めることで未練を断ち切り、遺品整理がいつまでも終わらないという事態を防げます。

取引メッセージは迅速かつ丁寧に対応する

購入希望者から質問が来たらできるだけ早めに返信し、発送も約束通りの期間内に行いましょう。遅れる場合は事前にメッセージで伝えるなど、誠意ある対応を心がけてください。評価システムがあるため、いい加減な対応は悪評につながり他の品も売れにくくなります。

購入者とのやりとりに注意すれば、メルカリでの取引トラブルはほぼ避けられます。

気持ちの良いやり取りを心掛け、遺品をスムーズに次の持ち主へ橋渡ししましょう。

遺品を売ったときに税金がかかるケースとかからないケース

遺品を売却したときに税金がかかるかどうかについて、以下の3つのポイントで解説します。

• 税金がかからないケース
• 税金がかかるケース
• 税金についての注意点

税金がかからないケース

生活用動産や売却額が1つあたり30万円以下の嗜好品は税金がかかりません。以下の内容で具体的に解説します。

• 税金がかからないケース ①：生活用動産
• 税金がかからないケース ②：1つあたり30万円以下の嗜好品

税金がかからないケース ①：生活用動産

故人が日常的に使っていたものは「生活用動産」として扱われます。生活用動産には税金がかかりません。以下は代表的な生活用動産の例です。

• 家具
• 家電
• 衣類
• 普段使いの自家用車

車は売却時に高額になる可能性がありますが、普段使いの自家用車であれば税金はかかりません。

税金がかからないケース ②：1つあたり30万円以下の嗜好品

絵画や骨董品、ジュエリーなど嗜好品のため、生活用動産にはなりません。しかし、嗜好品でも1つあたりの売却額が30万円以下であれば税金はかかりません。以下は遺品に多い嗜好品の例です。

• 絵画
• 骨董品
• アクセサリー・宝石・貴金属

嗜好品を複数売却して、合計で30万円を超えたとしても、それぞれが30万円以下であれば税金はかかりません。

税金がかかるケース

税金がかかるケースは以下のとおりです。

• 1つあたり30万円を超える嗜好品
• 金地金など投資目的の金製品

税金がかかるケース ①：1つあたり30万円を超える嗜好品

嗜好品で、1つあたりの売却額が30万円を超える場合は、譲渡所得として課税対象になる可能性があります。

• 高級な宝石や貴金属
• 高価な絵画や骨董品

相続した絵画を50万円で売却した場合、譲渡所得として課税対象となります。ただし、年間50万円までは譲渡所得控除があるため、50万円を超えた部分から課税されます。

税金がかかるケース ②：金地金など投資目的の金製品

金は嗜好品や生活用動産ではなく、株式や現金と同様に金融資産として扱われます。金の相続は現金や株式を相続するのと同じなわけですから、売却額にかかわらず相続時には課税対象となります。

以下のような金(地金)製品は金融資産扱いとなり、嗜好品や生活用動産には含まれません。

• 金の延べ棒(インゴット)
• 金地金
• 金貨

金の延べ棒を20万円で売却した場合、30万円を超えていなくても税金がかかります。ただし、金の指輪やネックレスの場合はアクセサリー・宝石・貴金属扱いとなるため、30万円以下であれば税金はかかりません。

税金についての注意点

譲渡所得には年間50万円の特別控除があります。売却金額から取得や保管にかかった費用を差し引いて、1年あたりの売却益が50万円以内であれば税金はかかりません。以下に、特別控除50万円を踏まえた税金がかかるケース・税金がかからないケースの具体例を解説します。

生活用動産を複数売却して50万円を超えた場合

生活用動産の売却はそもそも非課税のため、50万円を超えても税金はかからない

30万円未満の嗜好品を複数売却して50万円を超えた場合

複数の嗜好品の合計が50万円以上になっても、1点ごとの売却額が30万円以下であれば税金はかからない

1点30万円超の嗜好品を売却し、年間の利益が50万円以下の場合

30万円を超える品は課税対象ですが、年間50万円までは特別控除があるため税金はかからない

1点30万円超の嗜好品を売却し、年間の利益が51万円だった場合

特別控除額の50万円を超えた1万円の部分に対して税金がかかる

金の延べ棒を20万円で売却した場合

金地金やインゴットは、売却額にかかわらず譲渡所得の対象であるが、利益が年間50万円以下であれば、特別控除の範囲内のため税金はかからない

金の延べ棒を51万円で売却した場合

取得費や経費を差し引いた利益が50万円を超えている場合は税金がかかる

上記を参考に、遺品整理の際に税金がかかるかかからないかを確認してみてください。ただし、価値のある高級品や大量の売却を行う場合は、課税の対象になることがあるため、注意が必要です。
» 国税庁「譲渡所得の対象となる資産と課税方法」(外部サイト)

遺品を売却する前に確認しておくこと

遺品を売却する前に確認しておくことは以下のとおりです。

• 相続人全員の合意を得てから売却する
• 高級ブランド品は鑑定して偽物に注意

相続人全員の合意を得てから売却する

遺品を売ったり処分したりする前に、相続の話し合いを済ませておきましょう。相談なしで勝手に遺品を売ってしまうと、親族間で大きな揉めごとになってしまうこともあります。相続関連で信頼関係が壊れると、最悪の場合、親族同士の裁判沙汰にもなり得ます。

相続のトラブルを防ぐために、必ず相続人全員の同意を得てから遺品を売るようにしてください。誰がどの遺品を相続するのかを、みんなで話し合って決めることを「遺産分割協議」といいます。遺産分割協議が終わったあとに、相続した遺品を売却すれば問題ありません。

※ 相続放棄を希望している本人ではなく、相続放棄希望者の兄弟などが勝手に遺品を売った場合は問題なく相続放棄ができます。

高級ブランド品は鑑定して偽物に注意

ブランド品や骨董品には偽物が紛れている可能性があります​。偽物をメルカリで売ってしまうと、偽物と発覚した際に購入者との間で大きなトラブルになる可能性があります。メルカリでブランド品を出品する場合は、ブランド品の鑑定サービスを利用すると便利です。
» メルカリ「あんしん鑑定サービスの概要」(外部サイト)

「高そうなブランド品だけど真贋が不明」という物は、一度専門店で鑑定してもらうのがおすすめです。質屋や鑑定士に見てもらえば本物かどうか判別できますし、価値が高ければそのまま買い取ってもらうことも可能です。逆に偽物と判明した場合は売らずに処分しましょう。

高く売れると思ったからブランド品を相続したのに、実は偽物だったというケースもあります。高価なブランド品・骨董品は、相続する前に本物かどうか真贋鑑定することが重要です。鑑定書やシリアル番号があるかチェックし、無い場合はプロに相談してみましょう。

メルカリ以外の遺品整理方法

メルカリで売る以外にも、遺品整理で出た品を処分する方法はいくつかあります。メルカリ以外の手段も組み合わせれば、遺品整理が素早くなり、収入も増える可能性があります。以下は、メルカリ以外の遺品整理方法です。

• メルカリ以外のフリマ・オークションサービスで売る
• リサイクルショップ・買取業者を利用する
• 遺品整理の専門業者に依頼する

メルカリ以外のフリマ・オークションサービスで売る

メルカリ以外にも、個人間売買ができるフリマアプリやネットオークションがあります。それぞれ特徴が異なるので、目的に応じて使い分けも可能です。

ラクマ(旧フリル)

ラクマとは、楽天グループ運営のフリマアプリです。ラクマの利用者数はメルカリより少ないものの、販売手数料は4.5～10%の変動制で、メルカリよりも安い手数料で利用できます。楽天会員なら使いやすく、購入者側は楽天ポイントが貯まるメリットもあります。

ただし掲載できる写真が、メルカリだと20枚のところ、ラクマでは10枚までと制限があります。枚数が少ない分、商品の細部を伝えにくいところが難点です。

Yahoo!フリマ(旧PayPayフリマ)

Yahoo!フリマは、Yahoo! JAPAN(ヤフー株式会社)運営のフリマアプリです。Yahoo!フリマ販売手数料は5%で、主要なフリマアプリではほぼ最安です。高額な物を売る場合であれば、Yahoo!フリマの手数料負担が一番少なく済みます。利用者はメルカリほど多くないですが、母体がYahoo!なので信頼感は抜群です。

Yahoo!オークション

Yahoo!オークションは、Yahoo! JAPAN(ヤフー株式会社)運営のオークションアプリです。Yahoo!オークションの手数料は通常は10％ですが、プレミアム会員で8.8%と、メルカリよりもやや安くなります。

1円からスタートもできるため、売れやすさは高いです。コレクターアイテムや専門性の高い骨董品などはYahoo!オークションの方が高く売れる場合があります。

メルカリ以外のフリマ・オークションサービスまとめ

以下は、メルカリ以外のフリマ・オークションサービスのまとめ(※)です。

サービス名	手数料	月間アクセス数	アクティブユーザ数	年齢層	男女比
メルカリ	10％	約1億	約2,300万人	20～40代	女性多め
ラクマ	4.5～10％	約3,000万	約500万人	20～30代	女性多め
Yahoo!フリマ	5％	非公表	非公表	非公表	非公表
Yahoo!オークション	8.8or10％	約5,000万	約800万人	30～50代	男性多め

以上のように、他のサービスでは手数料やユーザー層に違いがあります。手数料を抑えたいならPayPayフリマ、高額コレクター品ならヤフオク、といった使い分けが有効です。ただし、メルカリ以外のサービスは、売れるスピードが総じて遅めです。まずはメルカリで出品し、売れなかったものを他サービスで売却しましょう。

※ 以下のサイトを参考にしています。
» マナミナ「フリマ市場を比較調査」(外部サイト)
» MM総研「フリマアプリ・オークションサイトの利用動向調査」(外部サイト)

リサイクルショップ・買取業者を利用する

ネットで売るのが手間に感じる場合は、専門の買取業者に買い取ってもらう方法が便利です。買取業者に依頼するメリットは、売れそうにない物でもまとめて引き取ってもらえる点です。特に本や衣類などが大量にある場合、一括査定で一気に片付くのは魅力です。

ただし、業者の利益分マージンが引かれるため、個人間売買より買取価格は低めになります​。多少安くても全部一度に処分したいという場合に適した方法です。以下より、各サービスについて解説します。

リサイクルショップ

リサイクルショップは、持ち込んだ店舗ですぐに査定・現金化できる手軽さがメリットです。近所に店舗があり、家から荷物を運ぶ手段があれば、遺品をすぐに処分できます。車を所有していない場合、運搬用の車を貸してくれるリサイクルショップもあります。家具や家電、衣類や小物類まで幅広く買い取ってくれる点も便利です。

リサイクルショップに運営には固定費や人件費などもかかるため、個人間との取引と比較して安くなりがちです。リサイクルショップでの売却は「一気に売りたい」「メルカリの出品作業が面倒」といった人におすすめの選択肢です。
» リサイクルショップで高く売れるもの39選を徹底紹介

宅配買取

宅配買取は、自身で物を箱に詰めて業者に送り、査定・買取してもらう方法です。買取業者から段ボールや送料を無料提供してもらい、自宅にいながら売却が完了します。出張買取と違い、買取スタッフが自宅に来訪することがないため、他人を家に上げたくない人には安心です。

ただし、以下のような場合、送った遺品を再度返送してもらう必要があります。

• 査定額が不満でキャンセルする場合
• 商品の状態により買取してもらえなかった場合
• 偽物など正規品ではない商品だった場合

返送料は多くの業者は無料ですが、業者によって異なるため事前に確認しておきましょう。

出張買取

出張買取は業者のスタッフが自宅まで来て、自宅で査定・現金支払い・引取まで対応してくれるサービスです。鑑定士の出張費や査定料は無料のところが多く、満足いかなければキャンセルも可能です。梱包や運搬も業者が行ってくれるので、宅配買取よりも手間が少ないのが特徴です。
» 出張買取は本当に危険？正しい業者選びのコツを解説

自宅に他人を上げることに抵抗がある場合や、査定額に納得できなかった際に対面で断りにくい点がデメリットです。家族や友人などに立ち会ってもらい、自身の意向をしっかりと伝えられる準備をしておきましょう。

遺品整理の専門業者に依頼する

遺品整理の際、以下のような状況であれば遺品整理の専門業者に依頼しましょう。

• 遺品の量が膨大で何から手をつけていいかわからないとき
• 故人の家が遠方で頻繁に通えず整理が難しいとき
• 自分で整理を進めたが体力的・精神的に限界なとき
• 賃貸住宅で退去期限があり急いで片付ける必要があるとき

プロの遺品整理専門の業者であれば、遺品の仕分けや処分、清掃や形見分けの発送まで一括で請け負ってくれます。遺品整理業者には、遺品整理士という資格を持つプロが在籍する会社も多いです。単なる不用品処分業者と違い「遺品に対する尊重の心」を持って作業してくれるのも特徴です​。
» 遺品整理士認定協会公式サイト(外部サイト)

遺品整理業者の主なサービスは以下のとおりです。

• 必要品と不用品の仕分け
• 貴重品の捜索
• リサイクル買取
• 供養やお焚き上げ
• 特殊清掃
• 住宅の解体やリフォーム
• 車の処分
• 相続相談の窓口紹介

依頼者のニーズに合わせて柔軟に対応してくれるのが遺品整理業者の強みです。費用はかかりますが、価値ある遺品を買い取ってもらえば、買取された金額分で費用を相殺してもらえます。「自分たちだけで遺品整理するのは無理」と感じたら、無理せず業者の力を借りましょう。

まとめ｜遺品の数が少ない場合はメルカリ、多い場合は業者を使う

メルカリで遺品整理をすると、処分費用がかかるはずだった遺品がお金に変わるメリットがあります。メルカリはフリマアプリの中でユーザ数が最多で、価格も自由に決められるため、売却しやすい手段です。大切な遺品を新しい所有者に直接届けられる点も、遺族としては嬉しいポイントです。

メルカリで高く売れる遺品の代表例は以下のとおりです。

• 趣味の道具類
• コレクションの品
• ブランド品
• アクセサリー・宝石・貴金属
• 美術品・骨董品

遺品の数が少なければ、メルカリでの出品作業は大した負担にありません。しかし、遺品の数が多すぎる場合、出品作業が日常生活に支障をきたすほどの負担になる可能性があります。遺品整理にメルカリを活用する場合、数か月程度の期間、遺品を保管しておける場所も必要です。

メルカリでの出品が難しいと思ったら、リサイクルショップや出張買取業者、遺品整理業者への依頼も検討しましょう。自身でメルカリに売るよりも断然スピーディに遺品整理が完了します。